君が、僕のことを忘れる日

会いたいって言って欲しかった

ただ居るだけで がんばる力の源になれるように

あなたの見つめ方は、多くを伝えすぎているから

わたしと君はいつから間違ってたのかな

君の声のトーンとか 体温とか、 動きかた、 それらのエネルギーの総量とかを なんとなく染み込ませて 「元気ないね?」 って聞く

自分が幸せだったことを、たまに思い返すのは自分を大切にするきっかけになってよい

重力なんてないみたいに生きていたのに

老いて行くための準備 老いてなお生きるため

夜の深呼吸

夜の青いあおい空気 覚めるように増えていく星 吸って 吸って 私を満たす

てのひらの居場所がなくって インターネットをうろうろ

誰かにすがっても消えないさみしさを ずっとひとりで抱きかかえて

妬ましくて疎ましくて 一緒にいると傷つくばかりなのに 離れられない 離れることを、選択できない

眠れない夜みたいな 毒をもった気だるさ に、のしかかられている

重たい空気を冷たく澄ますような存在 凛と、風を呼ぶ

ずっと、夢でばかり会うね

それは寒気にも似た恍惚で

あなたの存在について飢餓状態であること

閃くような子供時代を作りたかった

暗闇になれて 見える星が増えて行く 深淵の宇宙に潜るような、光を捕まえる感覚

通りを曲がって、 指先さえ見えない闇になる 闇は薄いシーツにぶつかるみたいな感触がする

悪者になりたくなかった せめてもの願いだったのに

君を傷つけないように、繋がるにはどうすればよいのかな。君を助けるために、どんなことをすればいいのかな。 なるべく多くの人にとって善であることを心がけるのがよいのかな。大切なひとだけを選んで幸を運べばよいのかな。

午後9時前 暗闇のなか 点滅する踏切を待つ ローカル線の上り電車 ほとんど空っぽの車内 光だけを満載にして 日常を運んでいく たった2両に収まる生活を湛えて 僕らの街は息をしている 遠く、鳴り止まぬ囃子を耳に この街を守ると心に決めて

乾く音

乾いて、乾いて 砕けてしまう前に その悲鳴を聞いて

思い出すためだけについやす夏があってもいい

水のつたう音に安心しながら 夜を溶かしていた

ふとあなたの隣の心地を思い出すように

ヘッドライトにひかる雨を何度も思い出しながら濡れて歩く

空色の桜があればいい 桜色の中に、ひとつだけ 空をはがすような花吹雪。