2012-01-01から1年間の記事一覧

忘れないで、って祈ることしかできないあれもこれもの思い出に手を伸ばしても、私には2本しかなくて

ひとつまみの おいしい月

僕はどれだけの人に忘れられてしまっているんだろう

北を目指す 夜のレースを重ねてくみたいに 闇が深さを増して

君にやさしい夜が 私にもここちよいだけで

体温のない夜に 手繰るように声を求めて

自分のじゃない傷は、 直接心が痛むから

待ちくたびれたし 拐いにいこうかなって

恋文みたいな写真を撮ろうと思った

眠たげな君の声が耳に絡みついて 眠たくて眠れない 安心しながら、どきどきするみたいに

停滞しないこと

呼吸のしかたを思い出す作業

書かれることのなかった空白の日記帳が時の流れの速さを見せつけ

想いを乗せて大気を震わせることの喜びを

好きな人ができました、っていう響きがまっすぐで綺麗だったから、どこかにしまっておきたい

青いソファーに眠る

眠りたくない夜に、おちてしまうように 気配の中で眠りたい昼下がりに 夢だけ見て生きていられたらいいのに

いけないことって分かってるけど どうしても止められないみたいに 青の月を見ていた

せまい水槽からゆらゆらと泳ぎだしたい空のあお

なんの他意もないのですけれど、あなたに会いたいです。約束をそっと抱えていたいから、そうですね、次の満月の日にでも。

すこしやわらかくなったカップアイスを 銀色のスプーンですくって食べるような 冷たくて幸せな そんな夜空です

あの白さを、なんと呼ぼう

さようなら、って静かにどきどきする

台風に塗り替えられて夏の空

いつまでも咲いてはいられないんだよ

泳げそうなそらだなあ

明るくなってきたから、目がかすむ 道も、行く先もわかってるのに迷子みたいで

何かを守るその力が、同時に誰かを傷つけることのないように

緑が他を虐げるような強さを持ち

もう少しだけ眠らせて 夢の中で探し物

やがて僕を穿つもの

目指す方向に 底の見えぬ大きな溝 跳んで越えるには向こう岸は遠く 橋渡すものもなくて 何もない、という壁 僕はなにかをつくりださなければ 進むことはできない